15日朝、大学入学共通テスト初日が始まる東京大学本郷キャンパス前で起きた17歳の少年による刺傷事件。犯人は成績優秀で父親も医者のエリート一家なのでそのプレッシャーに負けて事件を引き起こしたのではとの情報がネット上に散見されます。
これらの内「父親は医者」や「エリート一家なのでプレッシャーに負けた」などの情報はデマであることがわかってきました。本当はどうなのか、犯人の顔写真とともに解明していきます。
父親も医者でエリート一家は本当かデマか?
大学入学共通テスト初日である15日朝の東京大学試験会場前で起きた刺傷事件は多くの受験生を震撼させました。犯人は愛知県名古屋市の私立東海高校2年生の男子生徒です。犯人の生徒の家庭環境はどうだったのでしょうか?
犯人の母親のママ友の話です。
「彼のお父さんは地元の大学で職員をされていて、お母さんは専業主婦だったと思います。4人きょうだいの長男である彼は、中学校でも成績が抜群に良かった。マイペースな性格なので、お母さんも“うちの息子は変わってるんですよ”と話していました。両親は子どもの進学先にこだわりがないのに、彼は中学3年の頃から“絶対に東大に行きたい”“理IIIに合格したい”と口にするようになったそうです。お母さんは彼を応援しつつも“行きたいと言って行ける学校でもないと思いますけど……”とむしろ困惑した様子でした。深夜までブツブツとひとりごとを言いながら勉強し続けていたそうで、いつか体調を崩すんじゃないかと心配していました」
再度引用:デイリー新潮
父親は医者はデマだった!
犯人の生徒の母親のママ友は次のように話しています。
「彼のお父さんは地元の大学で職員をされていて、お母さんは専業主婦だったと思います」
「東大事件 親」で検索すると「東大事件 親 医者」が出てきたり、父親が医師で勤務医とか開業医という話がネット上に出回っています。
片や超進学校で必死に勉強するも、医者の親の期待やプレッシャーに押しつぶされ東大前で人を刺す。
この世はなんと理不尽なことか
身近のママ友の話の「彼のお父さんは地元の大学で職員」のほうが信ぴょう性があります。犯人が東大理Ⅲを目指していたために父親が医者という推測が独り歩きしたのでしょう。
医者というのはデマです。
両親は息子に医者や東大理Ⅲを強制していない
高校生が東大理Ⅲの夢が叶わなくて自暴自棄になり事件を起こすと、おおかたの人はおそらく親や周りの期待が大きすぎてプレッシャーに負けたのではと想像します。
多分親毒だろうと。
親から東大行って医者になれ!とか言われてたのか?それで成績が落ちてきて東大を受けられなくなるor合格出来ないかもしれない自分はダメなんだ…とか感じて思い詰めちゃってたのかな?
だとしたら親の子どもへの接し方とかの問題大きくない?
親が「東大に行って医者になれ」とプレッシャー掛けたのではと。
「両親は子どもの進学先にこだわりがないのに、・・・」
「お母さんは彼を応援しつつも“行きたいと言って行ける学校でもないと思いますけど……”とむしろ困惑した様子でした」
子供のころからの犯人の少年を知る母親の友人が話しています。
「両親は『東大に行け』とか、そういうことを言うタイプじゃなかった。お母さんは子供をキツく叱ったりすることもない。A(犯人の生徒)は穏やかで優しく、三人のきょうだいの面倒をすごく見る子だった。親から言われてやるのではなく自発的にそういうことが出来る。絵に描いたような幸せな家庭だったのに・・・」
引用元:週刊文春
親が子供たちにストレスを与えることもなく、近所の人たちからはうらやむような家庭に見えたのですね。
「親が教育熱しだったかと言うとそんなこともなく、親からのプレッシャーを受けている感じはなかった。高一の時は、自ら進んで家の近くの通信制の塾に通っていましたが、彼は親孝行で『塾で費用の負担をかけたくない』と言い、安いスタディサプリで勉強していました。家族仲は良かったと思います」
引用元:週刊文春
「東大理Ⅲに行け」とか「医者になれ」といった親からのプレッシャーもなく、仲良し家族だったはずが、どうして狂ってしまったのでしょう。
東海高校犯人の顔写真、部活も活発に
週刊新潮と週刊文春に犯人の顔画像が掲載されています。いずれも中学時代の写真で、高校生になってからの写真はありません。これらの顔写真からは、クラブ活動や勉強に励む様子は受けても、事件を起こすなんてとても感じられません。
東海高校犯人の小学・中学時代の顔写真
引用元:週刊新潮
顔自体はモザイクでよくわかりませんが、小学校のブラスバンド部でいかにもリラックスして楽しそうです。小中学校時代の友人によると楽器はユーフォニアムを担当していたそうです。
引用:週刊文春
吹奏楽部のメンバーと一緒にポーズを決めています。中学に入ってからはクラリネットを吹いていました。部活で大会があれば熱心に参加するなど、勉強と部活ともに励んでいました。
引用元:週刊文春
中学の卒業アルバムの写真ですが、モザイクがかかりすぎてよくわかりません。
こちらの2枚は紙の週刊文春から引用しました。これら2枚は同じく中学の卒業アルバムの写真です。目隠しですが、鼻や口元、顔全体の輪郭から優しそうな感じを受け取れます。成績優秀で勉強に励んでいた頃です。
犯人の生徒が成績優秀は本当かデマか?
以下は犯人のママ友の話です。
「彼のお父さんは地元の大学で職員をされていて、お母さんは専業主婦だったと思います。4人きょうだいの長男である彼は、中学校でも成績が抜群に良かった。マイペースな性格なので、お母さんも“うちの息子は変わってるんですよ”と話していました。両親は子どもの進学先にこだわりがないのに、彼は中学3年の頃から“絶対に東大に行きたい”“理IIIに合格したい”と口にするようになったそうです。お母さんは彼を応援しつつも“行きたいと言って行ける学校でもないと思いますけど……”とむしろ困惑した様子でした。深夜までブツブツとひとりごとを言いながら勉強し続けていたそうで、いつか体調を崩すんじゃないかと心配していました」
引用元:デイリー新潮
東海高校犯人は成績優秀か?
「4人きょうだいの長男である彼は、中学校でも成績が抜群に良かった」(ママ友の話より)。中学校では部活も活発に、勉強にも励み成績優秀だったのは事実のようです。
参考までに、まず小学校の卒業文集に書いた作文を見てみましょう。
この六年間での一番の思い出は、友達がたくさんできたことです。(中略)大人になるにつれて、増えていく友達や仲間、町の人などとの関係を大切にし、小学校生活以上に仲良くしていきたいです。
引用元:週刊新潮紙面
友達ができた喜びが溢れています。それが次の中学校の卒業文集の作文ではガラリと変わります。中学校では本格的に勉強に取り組んでいきます。
下の写真は週刊文春に載った卒業文集で勉強への思い入れの強さを綴った作文の全文です。
引用元:週刊文春1月27日号
「勉強」
私は三年間の中学間生活で、行事や部活動。その他色々なことを経験しましたが、やはり「勉強」というものが一番長く経験したものでもあり、自分をときに苦しめたものであり、助けてくれたものでもありました。
自分が本格的に勉強を始めたのは小学四・五年生ぐらいでした。とは言ってもテスト前は三時間もやっていなかったので平均よりちょっと上ということばかりだった覚えがあります。
中学校では、そんな自分や自分の学習態度・考えが変わることがありました。
まず順位というものが自分に大きな影響を与えました。特に二年生の時、大暴落を受け心が折れかけたことがあります。しかし、逆にそれがきっかけになり、後の学習態度や方法が一掃され、上位に追いつめることができました。
他に、強力なライバルや目標の人というものも又、自分を変える大きな原動になりました。一・二年生では特に感じなかったが、先に述べたよう上位に上がりつめるにつれ、大きなレベルの差を実感させられました。でも逆にそこを目指す、勝つというライバル意識や目標に向かう気持が自分の追い風になりました。
これから先も「勉強」は続きます。しかしこれからも中学校で学んだ勉強の重要さ、苦しさ、楽しさを忘れず「勉強」をやり続けていきます。
・中学2年の時に成績がガタ落ちして心が折れかけた
・そのことがきっかけで勉強方法や学習態度がガラリと変わった
・強力なライバルや上位者の存在が自分にやる気・モチベーションを与えてくれた
・これからも勉強の苦しさもあるが、重要さ、楽しさを忘れずに一層励んでいく
勉強に対するとても前向きな姿勢を感じます。この段階では勉強に対する異常というほどの執着は感じられませんが、すでに東大理Ⅲを目標に据えていたようです。
「彼は中学3年の頃から“絶対に東大に行きたい”“理IIIに合格したい”と口にするようになったそうです」とママ友が語っています。
東海高校での成績はトップクラスには届かなかった
中学で飛び抜けて優秀だった生徒が東海高校に入ってからはどうなったのでしょう?
東海高校は中高一貫の進学校ですが、高校受験で入学してくる生徒もいます。一貫で上がった生徒は1,2年生では成績が振るわなくても3年生でグンと伸びるのに対して、高校から入学の生徒は伸びない生徒が多いそうです。犯人は高校受験で入った生徒です。
東海高校では成績によってA群、B群に分けられます。A群の中で半分以上の成績でなければ有名大学への進学は難しいといいます。しかも東大理ⅢとなるとA群の中でもトップクラス、少なくともトップ5になる必要があります。
犯人の生徒はどうだったのでしょう?文春によると1年生の1回目の実力考査で54位、2回目で15位という好成績を収めます。当然A群理系のクラスに配属されました。
成績が下がったきっかけは彼女か?
文春によると犯人の生徒には中学校の頃同級生だった女子生徒に好意を持たれていました。ところが勉強一筋の彼は見向きもしませんでした。2年生に上がった彼は昨年の6月ごろ急に女子生徒に携帯で連絡を取ります。長らくほったらかしにされた彼女はそのころには熱がさめてきていました。
当然の結果として犯人の生徒は彼女に振られることになります。その後成績も振るわなくなり、130位まで下がってしまいます。昨年9月の三者面談で「東大理Ⅲは無理」と宣告されてしまいます。
更に昨年11月にはこのショックに上塗りするような出来事が起きます。高校から入ったある外来生が実力テストで総合1位となったのです。さらに別の外来生が数学で断トツ1位の成績を収めます。自分と同じ外来生の優秀な成績達成に大きな挫折感を味わったことは容易に想像がつきます。
次の実力考査は今年の1月26日から3日間行われます。思い込みの激しい犯人の生徒は次第に追い込まれて切羽詰まり、再び立ち上がる気持ちはすっかり失せてしまったのでしょう。
犯行動機は高校受験失敗と高校での成績が落ちたことだった
じつは犯人の生徒は東海高校を受ける前に全国的に有名な進学校を受験していました。「開成高」「ラ・サール高」「西大和学園高」とそうそうたる進学校を受けて落ちてしまったので、受かった地元の名門東海高校に行ったと高校で親しい生徒が話しています。
高校受験で挫折を味わったので「大学では絶対1番を目指す。日本一のところに行く」という気持ちがいっそう高まったようです。ところが東海高校でも1年生のころはかなりいい位置にいたものの、2年生では130位に下がってしまった現実を自分としてはとても受け入れることが出来なかった。
更に外来生の同級生がトップの成績を収めた結果を見て、再起する気力もなくなってしまった。そうなれば世間を騒がせて名を上げようとでも思ったのでしょうか。狂気の行動に出てしまいました。
逮捕後の供述で犯人の生徒は動機について「東大理Ⅲ合格はおそらく無理だ。それならば自殺する前に人を殺して、罪悪感を背負って切腹しよう」(週刊文春)と話しています。
犯人の一途な「東大理Ⅲでなければ生きていく価値もない」といった思い込みを気づいてあげて別の世界へ目を開かせることが出来たら今回の悲劇は避けられたはずですが、無理だったのでしょうか。
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