愛知・中３刺殺被害者伊藤柚輝さん顔写真「優しくて積極的」犯行動機は？

24日の朝、愛知県弥富（やとみ）市の十四山（じゅうしやま）中学校の3年生伊藤柚輝さん（14）が校内の廊下でいきなり刺され死亡しました。被害者は「優しくて何事にも積極的に取り組む人」と評判でした。

加害者の同級生との間に何があったのでしょう？事件の概要、被害者の顔写真とともにトラブル内容、加害者の処分、学校のこれからの対応などを確認します。

愛知・中３刺殺事件の概要

11月24日の朝、愛知県弥富（やとみ）市の十四山（じゅうしやま）中学校で殺人事件が発生しました。被害者は同校3年生の伊藤柚輝さん（14）で、校内の廊下でいきなり刺され死亡しました。加害者は同じく3年生で別のクラスの友人（１４）でした。

刺傷事件の犯行の状況

24日の朝8時過ぎに加害者の生徒が被害者の生徒伊藤柚輝さんを教室から廊下に呼び出し、いきなり刃渡り20センチほどの包丁で刺しました。刺された生徒は教室内に戻り、異常に気づいた担当教師が救急車を呼ぶよう職員室に連絡しました。

その間、刺した生徒は廊下に留まっていました。教師が廊下に出て、刺した生徒に包丁を下すよう指示したら、素直に下に置きました。学校の規則で、生徒は別の教室に入れないので、教室外に呼び出しての犯行でした。

担任教師が被害者を発見した時はまだ意識がありましたが、救急車で搬送される時には意識はなく、心肺停止の状態でした。その2時間半後に被害者は出血性ショックで死亡しました。刺し傷は肝臓をつらぬく深さでした。

凶器は刃渡り20センチの包丁で、逮捕された生徒はネットで買ったと供述しています。

被害者伊藤柚輝さん（14）の顔写真、評判

被害者の伊藤柚輝さん（14）は運動が得意で、元気で活発な生徒であり、リーダー気質で仲間の生徒からも慕われていました。

同級生は「学級委員などをやっていて、優しくてリーダーシップがあり、何事にも積極的に取り組む人」と話しています。

被害者と加害者の生徒の関係は、同じ小学校を卒業し、中学では2年生では同じクラス、3年生は別のクラスになりました。部活も別々でした。

現行犯逮捕された加害者の犯行動機は？

2人の生徒間のトラブルについて学校は思い当たることないとしています。生徒指導でも問題になったり、おかしいところはなかったと話しています。

保護者は「LINEをめぐるトラブルがあったという声が子供たちから出ている」と話しています。LINEをめぐるトラブルとは、被害者伊藤柚輝さんたちのLINEグループに加害者の生徒も入っていて、加害者の生徒がグループから外されたとの情報も出ています。

また、加害者の生徒がいじめにあったり、2人の間にトラブルがあったという声も出ています。

加害生徒の供述

逮捕された男子生徒が警察の取り調べに対し動機を自供しました。
生徒は「私がやったことに間違いありません」と話しました。

さらに死亡させた生徒に対して「嫌だと感じることがあった」と供述しています。嫌だと感じた程度はわかりませんが、わざわざ包丁をネットで購入して刺したくらいですから、明らかに殺す為に準備し実行に移したということです。

逮捕された加害生徒の今後はどうなる？

加害者の生徒は検察が家庭裁判所に送致し、2通りに分かれます。
１つは検察に逆送して起訴され刑事裁判を受ける。刑の重さとしては無期懲役か上限20年の有期刑です。
2つ目は家庭裁判所が保護処分として少年院送り等です。

これからの学校の対応

この事件は同校の生徒に深刻な精神的ショックを与えています。すでに4人の生徒が気分が悪いと訴えています。現在学校には2人のスクールカウンセラーがいますが、生徒全体を対象にメンタルケアしようとするととても不十分で、少なくとも倍の4人態勢は必要です。学校はカウンセラーの増員を愛知県教育委員会に要請すると話しています。

明星大学藤井靖准教授（臨床心理士）は次のように話しています。