28日未明、若者たちが沖縄警察署前で石や花火を投げて建物のガラスを割るなどの暴動が起きました。きっかけは27日未明に暴走行為を取り締まっていた警察官とバイクの男子高校生（17）が接触し、高校生が右目に重傷を負い、救急車で病院に運ばれる途中で救急隊に「警棒で殴られた」と話したことがSNSで拡散し、400人もの若者が集まって警察署を取り囲んだことです。
大騒動を起こした事故原因を巡って高校生は「警棒」以外に「バイクの単独事故」とも口にしており、母親は「本当の原因が知りたい」と話しています。何が真実なのかに迫ります。
警察官と高校生の遭遇場所で何があった？
引用元：ゴゴスマ
警察官と高校生が遭遇した場所で起きたことで双方の言い分が違っています。まず事故が起きた時点での流れを沖縄タイムスと琉球新報社の情報をもとに整理します。
事故発生時の流れと双方の言い分
27日（木）午前１時過ぎからの流れを男子高校生と警察官および警察の証言などで整理します。この時点ではどちらが正しいか否かはまだ判断しません。
27日（木）
午前１時過ぎ 重傷を負った男子高校生(１７)が１１９番通報。
「自損事故を起こした」
午前２時半ごろ 男子高校生が右眼球破裂で病院に搬送される。
搬送車内で「警官に棒のようなもので殴られた」と話す。
高校生側の話
親族に語った高校生の証言「友人と合流するためにバイクを走らせていた」
「路地で突然右側の暗闇から警察官が出てきて警棒のようなもので殴られた」
「止まれば殺される」と思って恐怖を覚えその場から立ち去った」
右眼失明などの重傷
（以上、沖縄タイムス）
高校生の親族「報道で『警察官が停止を求めた』とあったが高校生の話と違う」
「いきなり出てきて殴られたと話している」
警察側の話
接触した警察官「バイクに停止を求めたが、止まらず接触した」
接触時の状況について「一瞬のことで分からない」
「故意にけがを負わせるようなことはしていない」
警察官は接触時に手に警棒を持っていたことが判明。
左右どちらに持っていたか、棒が高校生に当たったかは調査中。
（以上、沖縄タイムス）
右腕にすり傷
所持していた警棒に目立った損傷はない
（以上、琉球新報社）
事件当時、夜間で現場には当事者2人だけ。
これまでのところ目撃者なし。
沖縄県警は双方から聞き取りを行い、接触に至った経緯や接触状況などを検証する方針を示しています。
これだけだとどちらか一方が間違っているとか悪いとかを決めつけるには根拠が不十分です。
沖縄警察署を取り囲む暴動はなぜ起きたのか？
引用元：沖縄タイムス
300人ともいわれる若者が沖縄警察署前に集まった経緯を整理します。
27日（木）
20時時55分 テレビで「単独事故」と報道される。
23時ごろ この警察発表を報道で知り、その後「警官が警棒で高校生殴打で失明」の情報がSNSで拡散され、怒った若者らが集まり始め、投石などが始まる
28日（金）
４時10分 投石などが終わり、若者らが散乱するごみの清掃を呼び掛ける。
その後若者数人と署員が話し合い、若者らが解散する
15時半 県警が、器物損壊事件として捜査すると発表
19時半 沖縄署構内は締め切られ、機動隊員数人が警戒。
敷地外には数人の報道関係者も。
高校生が眼球破裂の事故にあったのが警察発表で「単独事故」とテレビで報道されました。
高校生が救急車内で「警察官に警棒のようなもので殴られた」との証言との食い違い情報がSNSで拡散されます。それに怒った若者たちがSNSなどで誘い合わせて沖縄警察署前に集まり、投石などの暴動が始まりました。
例えばこのツイッターのような
讐察はそれを隠蔽して墟の報道をした
歳が近いし沖縄の者として
怒りが込み上げてきます
どうか拡散お願いします
集まった若者たちは警察は間違い、うそを言っている、高校生の証言が正しいと判断して行動したことになります。
男子高校生はウソをついているのか？
高校生に同行した友人の話
男子高校生と一緒に暴走の様子を見に行った友人が様子を話しています。
引用元：FNNプライムオンライン
コザ十字路で暴走があるってよみたいな感じに言われて、じゃあ1回見に行ってみるみたいな。近くのファミリーマートにバイクを置いて待機して見てたんですよ。その時に暴走行為してたバイク集団がファミリーマートに入ってきて、自分たちもみんな捕まりたくないって散ったんですよ
男子高校生は友人と2人で暴走の様子を見に行った。暴走行為のバイク集団と一緒に捕まりたくないので散らばって逃げた。その時友人とはバラバラで逃げた、ということです。
その後男子高校生は友人に携帯で連絡してきます。
俺のとこきて救急車呼んで。がちおねがい
↓
友人男性の返信：
事故？
↓
男子高校生からの連絡：
真剣お願い。目やばい
↓
友人男性の返信：
おけ（OK）
↓
男子高校生からの連絡：
失明
↓
友人男性の返信：
わかった
次は上のやり取りの流れの図式化です。
引用元：FNNプライムオンライン
男子高校生は友人の男性に「救急車呼んで」「がちおねがい」と言っています。この図の通りなら、友人の男性が救急車を呼んだことになります。ところが男子高校生は「自分で救急車を呼んだ」とも言っています。
さらに、男子高校生は救急車を呼んだ時「バイクの単独事故」と言っっていました。その後救急隊員に「警棒のようなもので殴られた」と話しています。
これらの整合の取れない話が散見されます。男子高校生が事故にあい混乱していてこのような発言になったのか、意識して変えていっているのかわかりません。
（追記）警察官供述「右手が強くぶつかった」偶発事故か！
沖縄市宮里の路上で２７日未明、男子高校生（１７）の運転するバイクが巡回中の男性警察官（２９）と接触、高校生の右眼球が破裂し失明した事案で、男性警察官が接触時、伸縮する警棒を伸ばした状態で右手に持ち「直進してきたバイクに向かって、両手を前に出して止めに入った。右手が強くぶつかった」という趣旨の供述をしていることが捜査関係者への取材で分かった。
引用元：沖縄タイムス
「警察官が警棒を右手に持ち『直進してきたバイクに向かって、両手を前に出して止めに入った。右手が強くぶつかった』との趣旨の供述」。
男子高校生は警察官に向かってバイクを直進して突っ込もうとしたのでしょうか？そうなら警察官が直進してくるバイクに恐怖感を感じてとっさに両手を出して止めようとしても不思議はありません。出した右手の警棒が男子高校生の目を直撃したというふうに読み取れます。
そうであればバイクを直進させた男子高校生にも非があることになります。警察官が故意に男子高校生の目を殴ったのではなく、直進してくるバイクを止めようとして出した右手の警棒が運悪く男子高校生の目を直撃した偶発的な事故が発生したことが考えられます。
県警捜査１課によると、男性警察官は「おい、止まれ」と声を出して制止を求めたとするが、高校生は周囲に「急に警察官が現れ、停止は求められていない」と話しているという。県警は警棒の鑑定を進め、微物の付着状態から接触状況を調べる。
引用元：沖縄タイムス
警察官は「おい、止まれ」と声を出して制止しようとした。
高校生は周囲に「急に警察官が現れ、停止は求められていない」と話している。
普通、バイクを止めようとしたら声を出すのが自然です。男子高校生は警察官の姿に驚いて警察官の声が耳に入らなかったことも考えられます。この段階では水掛け論になります。
男子高校生の母親「事実を明らかに！」
生徒の４０代の母親は「何が原因でけがをしたのか。事実をきちんと明らかにしてほしい」と真相究明を強く訴える。
引用元：沖縄タイムス
母親のこの言葉を聞く限りではわが子が大変なケガをしているにもかかわらず、一方的にわが子の話が正しいとかの主張はなく、冷静に判断しようと努められていることがわかります。
そうあってほしいですね。
真実を明らかにするために必要なこと
引用元：ABEMA TIMES
現状ではケガをした少年と職務質問しようとした警察官、そのどちらが本当のことを言っているのか、カメラでも付いていないと分からない」「ケガの状況など見ると、本当に警棒が当たったのかどうか、科捜研の世界になってくる。今後の捜査を待って、あるいは医療行為を待って（発表される）ことになると思う」
そのとおりです。当事者への聞き取りのみでなく科学的調査も踏まえて冷静に判断し真実の解明に期待したいですね。
みんなの声
マスコミ報道と同じく男子高校生を擁護、信じて警察を非難する声が多く見られます。一方、警察の肩を持つ声も多くあります。まだ事実確認が進んでいない中では当然と言えます。
ここでは敢えて警察寄りにどんな意見が出ているのか見ていこことで、真相に迫ってみます。
匿名掲示板爆サイに投稿の意見です。
そのまま話ししてたら住所と学校聞かれて､早くおうち帰りなさいで終了ってわかるよね？
もしかして毎週暴走したり見てたりで補導歴あり？
次は退学とかの話しまでいってる？
何もして無ければ逃げる理由はどこにもない
非行少年かはわかりませんが、もしそうだったら信用できないでしょうね。
フルフェイスなら無傷だろ
でも少年が回復して事情聴取や話し合いできるまで発表しない話し合いで証拠とか見せて少年に納得してもらってからじゃないと､また勝手に事実隠蔽してるとか言われて暴動いきる可能性高いからね
少年も認めましたって発表も一緒にしないとだめだから
わかりかな？何事にも後のことも先のことも考えて捜査してるんだよ
なんでもかんでも発表すればいいってもんじゃない
高校生が嘘をついていると断定するのはまだ早くフェアではありませんが、高校生擁護側から見るとかなりうがった見方のように思えるものの、こういう視点も必要な気がします。
いずれにせよ少年が回復して警察官ともども事情聴取や話し合いの結果、真相が明らかになるのを待ちたいと思います。
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